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エコ委員会(ゼロプロジェクト)

■ゼロ・プロジェクトの考えるエコデザインとは?

■デザイナーだから出来るエコロジー

 デザインを生業としている人間は、大量生産・大量消費に流されながら忙しく仕事をしています。でも、ある時、ふと、「こんなのでいいのかな」という疑問を感じることってないでしょうか。
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ゼロ・プロジェクトの考えるエコデザインとは、一言で言えば「デザイナーだから出来るエコロジー」。エコマインドを通してデザインをアプローチするスタンスのことです。「マテリアルから考える。」あるいは、「製品のあり方や取り巻く環境、サービスから考えてみる。」

デザイナーによって、十人十色のアプローチがあってしかるべき。 「コストが安いからといってこの材料を使ってしまって廃棄後は、大丈夫なの?」「何か資源の無駄遣いをしてしまっているのでは?」「このデザインは買ってもらった人に長く愛着を持って使ってもらえるかな?」 そういった何気ない疑問を原点に、今まで当たり前のこととしてやってきたデザインプロセスを振り返り、具体的な提案をデザインの中に投げかけてみるのも一つの方法です。

「使う材料を選ぶ」「商品の廃棄後のことも考える」等、デザイナーが身近に実践できることから変えていく。まずは、身の回りで、感じたところ、やれるところからやっていくというスタンスでアプローチしてみたらいかがでしょう。そして、このようなエコマインドを自分だけでなく、様々なジャンルのデザイナー、メーカーや流通の方々に発信して、ネットワークを広げ、コミュニケーションを深めていけるといいですよ。

■エコデザインを一言でいうと

エコデザインとは何か?一言でいうと「環境効率を高めるデザイン」ということです。環境効率は、製品性能/環境負荷で表します。分母の環境負荷が小さくて、分子の性能が大きければ効率が良いということです。言い換えれば、製品の性能を高めつつ、エネルギー消費と環境負荷を削減し、環境性能を向上させることがエコデザインです。
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■身のまわりの生活を見てみると

さて、ここで、エコライフということを考える意味で、私達の日頃の生活を振り返って見ましょう。  便利で安いからと衝動買いをしたり、焼肉の食べ放題でたらふく食べたりの生活を続けてきた結果、色んなものが家に溢れたり、体は、生活習慣病にかかったりするようになってしまいました。その挙句、そこには本来、得られるはずの満足感よりも、むしろ慢性的な疲労感、虚脱感がつきまとうようになったのは何故でしょう。神奈川県の高校生に実施したアンケート調査があります。

「本当の豊かさとは何か?」という問いに対して、「精神的な豊かさ」を求めている若者が 80%と実に多いことが分かりました。マイペースだと思っていた若者が実は、スピリチュアルな価値観を求めていたということに驚かされます。  本当の豊かさとは一体、何なのか。そろそろ私達は、今までのモノの豊かさから、ココロの豊かさを求めて、生活の価値観を変えていってみてはどうでしょうか。例えば、モノを所有するのではなく、サービスを享受する生活、レンタルサービスを利用したり、共有化する生活に変えることで、モノからの呪縛、経済的・空間的な負担から解放されるはずです。言い換えれば、大量生産・大量消費、経済効率優先のバブリィーな物質文明化社会を卒業して、脱物質文明化社会にシフトしていく必要があるのではないでしょうか。

例えば、以前、日本人が誰しもが普通に持っていたゆとりある時間と空間を取り戻し、急ぎ過ぎない、シンプルな生活を目指すのもシフトの一つの方法です。今の日本は、過剰生産と過剰労働に追いまくられて、心身ともに疲れきっていますが、今をさかのぼって、江戸時代の日本では、年間156日も働けば充分生活をエンジョイできていたそうです。その時代の職人さんは、残業することもなく一日4時間しか働きませんでしたが、その代わり集中して仕事をし、その成果は、立派な文化遺産として継承されています。私達も短時間で効率よくいい仕事をするためには、地産地消やITの利用で、モノや人の移動を極力抑えるなど脱物質文明化社会の実現に向けた工夫のしようはあると思います。

■身のまわりにあるエコデザイン

身の回りにあるエコデザインの事例をご紹介します。国連環境計画(UNEP)のエコデザインの定義をベースに、それに基づいて事例をあげたものです。

1)環境に負荷をかけない原材料を選ぶこと。

光発電の腕時計、ノンフロン型家電、間伐材使用のリース家具、 コピー機(リサイクルパーツ使用)、ユニフォーム(ペットボトルから再生)

2)原材料の使用を必要最小限に抑えること(軽薄短小化)。

液晶テレビ(パッケージを小さく、軽くした)

3)製造時の環境負荷を最小限に抑えること。

製造時の焼成温度が低い建材用セラミックタイル

4)流通経路におけるエネルギー消費を抑えること。

牛乳瓶・ビール瓶(パッケージの軽量化)

5)商品を使用する時に発生する環境負荷を最小限に抑えること。

無洗米(環境汚染防止と水の節約)、蛍光灯形省エネランプ、ハイブリッド乗用車、エアサイクロンクリーナー

6)製品寿命のロングライフ化を図ること。

モデルチェンジしないカセットレコーダー、インク交換が簡単なプリンター、パーツの取換えが簡単に出来る長寿命設計チェアー

7)製品が廃棄された後に発生する環境負荷を最小限に抑えること。

リユース・リサイクルを前提としたレンズ付フィルム、環境負荷のかかる物質を出さない建材用外装タイル

8)今までにない全く新しいコンセプトの製品であること。

インターネットからダウンロードするミュージックプレーヤーや電子辞書、書籍、デジカメ。単身赴任者や一人暮らしの学生向けに開発された、主要な家電製品をパックでリースし、期間が終われば回収、傷んだ部分を交換してリユースする家電レンタルシステム。自動車メーカーやNPOが推進しているカーシェアリングも有効なエコシステム。TVとパソコンが一体化したラップトップタイプのコンピューター。ワンセグを初めとして色んな機能が満載された携帯電話。

■サスティナブルから、サバイバル、適応化デザインへ

地球温暖化をくい止めるための一つの方策としてエコ(サスティナブル)デザインの重要性が叫ばれていますが、「かなり、やばい。このまま、今の生活を続けていくことは、相当、厳しい局面に来ている」というのが実態です。日本は、京都議定書でCO2を6%削減することになっていましたが、現状では超過分も合わせ14%まで下げなければいけない厳しい状況です。また、世界に目を向けてみると、既に日本だけの努力では何ともならない状態になりつつあります。

世の中がこのまま、脱物質文明化社会へシフトされることもなく、また、工業化社会に向けて急速な成長を遂げている中国の13億、インドの10億とも言われている人々が、今後欧米並みの生活を志向することになると、現在のサスティナブルなシナリオは、全て書き換えられなくてはならなくなるでしょう。そろそろサスティナブルから、サバイバル、適応化デザインまでも視野に入れて、考えなければいけない時期だと考えています。

地球温暖化がますます進行し、世界的な気候変動がより深刻化してくると、今まで当たり前のように輸入できた食糧やエネルギーは、日本に入ってこなくなってしまいます。ところが、現在、日本の食料自給率は、39%という、先進国の中ではとんでもなく低い水準にあります。にも拘らず、相変わらずグルメとか、フードファイターとか食をもてあそぶ飽食の世が続いています。もし、今、食糧輸入が全面的に止まると日本の食生活は、映画「ALWAYS」以前の昭和20年代前半に戻ってしまいます。またエネルギー自給率についても20%を切っているという目も覆わんばかりの状況です。

ただ、日本は、かって、モノを大切にするという道徳観が生活の根底に流れ、地産地消がうまく社会システムとして機能していた国です。食料問題やエネルギー問題も、眠っていたエコのDNAを早く呼び覚ますことが出来れば、比較的、うまく乗り切れるかもしれません。また同様に20%を切っている木材自給率の向上についてもデザイナーの立場から間伐材の活用方法など、CO2吸収源の森林資源を再生させ、守っていく方法を考える必要があります。エコデザインは、ハードをデザインするということだけではありません。取り組みとしてのソフトに向けても、デザイナーが持つ知恵や創造力、発想力、企画力で豊かな提案をしていくことが可能ではないでしょうか。一緒に考えましょう!!エコデザイン。

(文責:柏原政彦)

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参考文献:・「ECODESIGN」国連環境計画(UNEP)・「サスティナブル・カンパニー」山本良一著(ダイヤモンド社)・「エコデザイン ベストプラクティス100」山本良一著(ダイヤモンド社)